メコン塾5回目は、東南アジアの経済成長と格差について前回学んだ東南アジアの政治体制を振り返りながら理解を深め、考えるセッションを行いました。
レクチャーの内容は以下の通りです。
-概念と定義
-東南アジアの域内・国内格差
-「中所得国の罠」にどう対応するか?
-コロナ後の経済、貿易とグローバル・サプライ・チェーン
-ASEAN経済共同体と連結性:2015年から2025年
-東南アジアにおける「一帯一路」
-まとめ


格差について政治と経済を融合させて考えることの必要性や、経済成長と格差是正を同時に達成することの難しさをタイやマレーシアの事例をもとに学びました。またグローバル・サプライ・チェーン、ASEAN、メコン回廊など異なるレベルでの連結強化の重要性についても説明がありました。
そして、レクチャー内ではせかい探究部2期生の論文の一部が引用されました!探究部の先輩が調査して形にした論文が後輩の学びにつながるという素敵な場面でした。

レクチャー後はブレイクアウトルームに分かれ、講義の中で印象に残ったことを話し合いました。難しい内容を扱いましたが、新しく学んだことを自分なりに考え、周りと共有することで理解の助けになったことと思います。

今回は東南アジアの経済成長と格差がメインのトピックでしたが、レクチャー内容から今まで学んだ東南アジアの国際関係、政治と経済が密接に関係していることが伺えました。このように課題を複数分野からとらえる視点は、探究部メンバーの今後の研究に役立つかもしれません。
最後に、今回のセッションを終えたメンバーのコメントの一部をご紹介します。
経済と政治は今まで切り離して考えていたのですが、今回のゼミを通してこの二つは切り離せないものだと認識しました。格差をなくすためには、民主化を主導し、所得分配を促進する政治体制が整っている必要があるということがわかりました。
ブレイクアウトセッションにて中所得国の罠から抜け出しにくい原因の一つとして、その国の強みであるということができるようになるまでに膨大な時間がかかるからという意見があった。昔と比べて今は物事を0から1にするには世界で認められるようになる基準が高すぎてスタートラインにすら立てないのではないかと思った。
ASEANの1人あたりの名目GDPがシンガポールとミャンマーで雲泥の差があり、驚いた。また国内においても格差が広がっており、社会が発展していく中でも格差問題が取り残されてしまっているのだと思った。ASEAN内での持続的な経済成長は、AEC2015において達成できておらず、今後の大きな課題であるのだとわかった。
記事執筆:板橋 未和(SophiaGEDインターン)